当山は、青森県十和田市に位置する観音寺(かんのんじ)という曹洞宗のお寺でございます。市内には十和田湖・奥入瀬渓流といった美しく豊かな自然が広がり、静かで落ち着いた環境下で山門行事や日々の供養に勤めております。地域の皆様、檀信徒の皆様に見守られ今日まで歩んで参りましたこと改めて感謝申し上げます。
さて、昨今では寺や仏教が縁遠く感じられることもありますが、本来お寺とは宗教的な儀式だけでなく、地域の交流の場であり、悩み事の相談や自らの心の平穏を求める場でもありました。
そもそも仏教とはインドにお生まれになった釈迦牟尼佛の教えであります。
お釈迦様の教えは「四苦八苦」を認識し、その克服を通じて真の幸福を得ることです。お釈迦様は生老病死といった「四苦」(生きることの苦しみ)や、欲望や執着から生じる「八苦」を指摘しました。解脱への道は「八正道」で、正しい見解や態度、行いを通じて心の浄化と真の幸福に至ると説きました。この教えは「中道」の実践を通じて楽欲の調和と心の平安を追求し、他者と共に幸せを築くことを示唆しています。
また曹洞宗とは、一般に禅宗と呼び、坐禅を中心とする宗派です。
インドのお釈迦様から始まり28代目達磨大師により中国へ伝えられ、中国天童如浄禅師が受継ぎ、日本へは永平寺開祖道元禅師によって伝えられ、総持寺開祖瑩山禅師に受継がれました。正法である只管坐禅三昧、心を満たす光明三昧、懺悔、内観瞑想や「慈愛」「循環の法則」「八正道」修証一如の実践を今に伝えています。
いつの時代でも、人と人がお互いに愛と慈しみを分かち合いながら、禅の教えを通して心をととのえ、今ここで生きていくことが大切です。禅は特別なものではなく、自然や人々、そのものがあるがままであることを知り生きていくことです。当山では伝統を守りながらも、現代のニーズに応え、誰もが気軽に訪れられる温かな場所を目指しております。どなたでもお気軽にご来山ください。合掌