威神力は無くても
「千手千眼(せんげん)観音」という救いの菩薩がいた。すなわち五重二十七面の顔と一千の慈眼をもち、一千の手を動かしてこの世の人々一切衆生(いっさいしゅじょう)を救うという大慈(だいじ)大悲の精神を具象している。観音菩薩は大きな威神力をもち世間を救済するという期待が、この千手観音像を成立させたと考えられる。その千手のうち四十二臂(ひ)には印契器杖(いんげいきじょう)を持ち、九五八臂より平掌(ひらて)が出て、宝剣や宝弓とか数珠(じゅず)などを持っている。経典は『千臂千眼陀羅尼(だらに)』など11種のものがあり、いかに千手観音に対する信仰が盛んであったかを示す。(日本大百科全書より)威神力は無くても、一人でも救いを祈る慈悲を身につけ、人生を平安に生きる事を実践していきましょう。